活動レポート

第66回日本病院学会に一般口演として参加しました

2016.06.24

6月23・24日に盛岡にて開催された第66回日本病院学会に、当院より一般口演として登壇いたしました。

 

口演内容は以下の通りです。

 

「川崎区在宅療養推進協議会を中心とした多職種研修会・ワークショップの試み」
院長 渡邊嘉行
地域連携相談室 原田明紀子、西村夢美、水野芳恵、日向洋平

【目的】
川崎市川崎区は2014年より、川崎市医師会を中心とし、川崎区医師会、川崎区医院、川崎区クリニック、川崎区病院、川崎区訪問看護ステーション連絡会、川崎区介護支援専門員連絡会、川崎区歯科医師会、川崎区薬剤師会、地域包括支援センター、区保険福祉センターと連携しながら、「行き届いた医療・介護サービスのある最幸の街づくり」へ向け、多職種連携会議を密に行い医療・介護従事者の互いの業務への理解を深め、活発な意見交換を行ってきたが、地域住民を含めた十分な活動には至っていない。我々は単なる勉強会ではなく、顔と顔の見える関係づくりに加え、より実践的なオープンワークショップを行うことを企画した。

【方法】
地域包括ケアを目的とした在宅医療推進のための多職種勉強会として、また地域の方々と一緒に意見交換・体験学習・ロールプレイが可能なワークショップとして「川崎区在宅療養推進協議会が地域住民の方々と一緒に開催する実際に体験できる多職種連携在宅療養ワークショップ」を複数回企画した。ワークショップには多職種の代表者が事前に決めた事例を基本に、様々な角度から意見交換を行ない、会場には医療機器も持ち込み、その場で実践する体験型ワークショップ(住民参加)を開催した。

【結果】
ワークショップでは、地域の特製を活かしたアイデアや意見が多く出され、ズウみんカラも質問が出るなど、実のあるワークショップを開催することが出来た。

【考察】
地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築は極めて重要である。構築成功の鍵は、地域の自主性や主体性に基づくことはもちろんのこと、地域の特製を十分加味した検討を行ない、作り上げていくことが重要だと思われた。

 

「Webを中核としたユーザー体験による病院ブランドの育成」
院長室 事業企画担当 中村崇

近年、一般企業のほとんどが競合他社の商品・サービスとの機能的な差別化ができずに苦戦している中、Appleやスターバックスのように「情緒的な差別化=ブランディング」を積極的に行っている企業が成功を収めている。
国の政策に従っている以上、競合となる他の病院との機能的な差別化は難しく、医療機関においてもブランディング戦略は有効な方法論であると考えられる。
そこで、WebサイトのリニューアルとFacebookページの運営を中心としたブランディング戦略を企画立案を行った。
まずWebサイトのリニューアルにあたり、単に機能面に関する情報を羅列するのではなく、ブランドコンセプトに沿った形で各部門で行っている業務内容を再定義し、メッセージの統一化を図った。
また、ブランドとは言葉として定義しただけで終わりではなく、サービスの質、空間、スタッフ、接客態度など「全てのユーザーとの接点=ブランド体験」が商品・サービスの印象を形成する要因となり得る。
特に病院においては、接客業と同様に対面サービスであるにも関わらず、患者の立場になって考えるという視点の欠如が見られる。
そこで、Facebookページ運営や院内プロジェクトの実施における日々の会議でのファシリテーションを通じて、ブランドコンセプトや患者視点の理解浸透を図った。また、Facebookページでは日々の活動内容や日常で活用できるような医療に関する豆知識などを発信することで、具体的な活動からブランドコンセプトが伝わるような記事作成を行っている。
その結果、自発的な患者視点の気遣いが行われるようになった。また、これまで「病院だから」という既成概念に縛られて出なかったような自由なアイデアが出てくるようになり、スタッフのモチベーション向上にも繋がった。

 

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