11月21日~23日『第25回日本医療薬学会』におきまして、当院 薬剤部の薬剤師 坪内理恵子が下記の要領にて、ポスター発表を行いました。
【演 題】中小病院薬剤師ができる抗菌薬適正使用への介入
【演 者】薬剤部 坪内 理恵子/ポスター発表
【日 時】11月21日(土)~11月23日(月)
【会場名】パシフィコ横浜
【演題内容】----------------------------------
【目的】
中小病院の多くはインフェクションコントロールドクター(以下、ICD)・感染症専門医・感染管理看護師等がいないことから、感染症治療に対して苦慮するケースが多い。今回、当院での感染管理体制の見直しと薬剤師の個別症例への介入を行い、中小病院における抗菌薬の適正使用への薬剤師の貢献について検討した。
【方法】
(1)感染管理体制の見直しは、薬剤師によるアンチバイオグラムの作成、抗菌薬使用密度(以下、AUD)の算出、当院採用抗菌薬の検討をおこなった。
(2)個々の感染症例への薬剤師の介入は、感受性試験結果を薬剤部が医師と同じタイミングで検査科から受け取り、薬剤師が選択薬剤を腎機能・体重・重症度を考慮して再検討し、変更が必要と考えられる場合には医師に報告した。
【結果】
(1)2013年4月から2013年9月までのアンチバイオグラムでは特に緑膿菌に対するメロペネム(以下、MEPM)の感受性率が48%(検体数25)と低かったが適正使用を医師に依頼した結果、AUDはセフトリアキソンが上昇し、MEPMの1日投与量は1.0g/日(1回0.5g)が減少し、1.5g/日(1回0.5g)が増加した。その後2014年3月までのMEPMの緑膿菌に対する感受性率は92%(検体数24)に回復した。
(2)2014年4月から2015年4月までに行った個別症例介入は報告数106件中43件あり、抗菌薬変更18件、抗菌薬中止5件、抗菌薬追加7件、投与量変更2件、経過観察11件であった。
【考察】中小病院では、ICDのような豊富な知識を獲得しているスタッフが常駐している施設は少なく、また、感染対策室を設けて院内の感染症に迅速に対応する組織も少ない。
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